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建設業の許可全般について

Q:なぜ建設業の許可がある?

A:建設業は国民の生活において、住居や道路、公共施設、事業所、ライフライン等、重要な施設に関わる産業で、高い公益性と信頼性が求められます。建設業の適正化は、粗悪な工事を妨げると同時に、発注者や建設業を営むもの全体を保護し、それは最終的に国民の生活の安全へ繋がるという考えからも、基準に照らし合わせた許可制度が必要不可欠と考えられています。

Q:建設業の許可は誰でも受けることができる?

A:建設業の許可には一定の要件を満たしていなければならず、許可要件を満たしていれば、個人・法人の違いや、事業規模の違いが問われることはありません。しかし、許可を受けるためには、重要な地位に一定年数の実務経験を持つ人員の設置が義務付けられているので、建設業に長く携わってきた人材が必要になります。

Q:建設業の許可がなければ建設業者ではない?

A:建設業の許可を受けているかどうかにかかわらず、建設業の営業を行い、請負契約を結んで成果物を引き渡すことを業務としているのであれば、一般的に言うところの建設業者です。ただし、法文上では明確に区別されていて、建設業の業務を行うもの全体を「建設業を営むもの」、その中で建設業許可を受けているものを「建設業者」と呼びますので、官公庁等もそれに従い、建設業者とは建設業の許可を受けている業者を指します。

Q:建設業の許可はどうしても必要?

A:建設業を営むこと自体に対して、建設業の許可が必要なわけではありません。許可を受けなくても建設業を始めることはできますが、許可を受けないで請け負える建設工事には金額の制限があり、請負金額が大きくなれば元請・下請にかかわらず必ず建設業の許可が必要になります。また、建設業の許可を受けることによる社会的な信頼性の向上が、建設業の営業に大きく寄与する側面から、建設業の許可を受ける(または受けなければならない)場合も多くあります。

Q:建設業の許可を受ければ何でも工事できる?

A:建設業の許可は、建設業の業種ごとに28種類存在します。そして、1つの業種の許可を受けたとしても、その業種以外で建設業の許可を受けたことにはならず、あくまでも許可を受けた業種に対しての請負金額の制限がなくなるに過ぎません。されます。許可を受けた業種以外では、元請・下請問わず、軽微な工事と呼ばれる小規模な請負金額を超える建設工事を行うと、無許可営業として罰せられます。

Q:無許可業者って違法ではないの?

A:建設業の許可を受けていないで建設業を営むことが、そのまま違法性には繋がりません。無許可業者に許されている軽微な工事であれば、適法に工事を請け負うことが可能です。その一方で、軽微な工事を超える建設工事を請け負うと、無許可営業とみなされて違法になります。「無許可」という言葉から誤解しがちですが、無許可業者が違法であるかどうかは工事金額によって決まることで、許可の有無で決まることではありません。

Q:知事許可と大臣許可の違いは?

A:知事許可と大臣許可は、営業所が1つの都道府県内であるか、複数の都道府県内であるかどうかの違いで、許可業者のランクを表すものではありません。大きな建設業者に大臣許可が多いのは、事業の拡大により営業所を複数の都道府県に設置しているためです。また、一度どちらかの許可を受けても、営業所の設置状況が変化すれば、もう一方の許可に申請し直す可能性があります。

Q:知事許可は大臣許可より業務の範囲が狭い?

A:知事許可と大臣許可は、営業所の設置場所とその範囲の違いであって、営業する区域や工事現場の場所について制限するものではなく、業務の範囲が狭くなることには該当しません。ただし、請負契約締結が営業所で行われる以上、実務において営業所近隣の営業範囲になることは考えられ、営業範囲を広げるために支社等を複数の都道府県におき、大臣許可を受けて営業する形態が多くみられます。

Q:個人事業者の建設業の許可は相続等で引き継げる?

A:建設業の許可は、申請者に対して与えられ、事業としての引継ぎとは全く性質が異なるものです。そのため、事業承継人が建設業の許可まで引き継ぐことはできず、新たに許可の申請が必要になります。この場合、一定の要件を満たせば、許可番号や許可年数を引き継ぐことができる運用をしている行政庁もあります。

Q:個人事業者が法人成りした場合に建設業の許可は引き継げる?

A:個人事業から法人格になることで扱いが変わるために、建設業の許可は引き継ぐことはできず、法人として新たに建設業の許可を受ける必要が生じます。相続等で事業を承継する場合と同じように、法人成りでも一定の要件を満たせば、許可番号や許可年数を引き継ぐことができる運用をしている行政庁もあります。

Q:令3条の使用人って何?

A:令3条の「令」とは建設業法施行令のことで、令3条の使用人とは、建設業法施行令第3条に定められた使用人のことをいいます。具体的には、常時建設工事の請負契約を締結する営業所において、契約、見積、入札等に一定の権限を委譲された者で、支配人や営業所の代表者(支店長など)が該当します。営業所の代表者であれば令3条の使用人というわけではなく、請負契約に権限を持っていれば代表者ではなくても令3条の使用人ですが、権限を与えられるだけの地位は、一般に支店や営業所の代表者である支店長や営業所長です。

Q:社会保険未加入でも許可は受けられる?

A:社会保険の加入状況は許可申請時に提出しますが、社会保険未加入だからといって許可を拒否する理由にはなりません。ただし、社会保険加入についての指導を受けることは必至で、指導によっても未加入であれば保険担当部局に通報されます。また、平成29年度からは、許可業者の社会保険加入率を100%(適用除外を除く)とする目標が設定されています。

Q:自社の建物を自社で施工するときでも許可が必要?

A:建設業法における建設業とは、「建設工事の完成を請け負う営業」をいいます。自社の建物を自社で施工する場合、完成を請け負ってはいないため、建設業の許可は必要ありません。個人が物置を日曜大工で作っても、時間を掛けてログハウスを作っても、可能かどうかはともかく大邸宅を作っても、建設業の許可が必要ないのと同じことです。

 

建設業の許可全般について2

Q:有限責任事業組合(LLP)でも許可が受けられる?

A:有限責任事業組合の場合は、組合が法人格を有しないため、組合として建設業の許可を受けることができません。組合を構成する組合員がそれぞれに許可を受けていれば、建設業の許可が必要な工事を、組合として受けることが可能になります。

Q:一人親方でも建設業の許可を受けることは可能?

A:建設業許可の要件を全て満たせば、一人親方であっても建設業の許可を受けることは可能です。経営業務の管理責任者と専任技術者は兼任が認められているので、一人親方が両方を満たせば、兼任することで許可の要件を満たします。ただし、工事現場に配置する技術者は、専任技術者との兼任が一定の条件を満たす場合を除いて認められていないため、一人親方が建設業の許可を受けても、工事現場に出向くことと、営業所で常勤することが建前上両立できません。この点について、現在のところ行政庁は黙認している部分が多いですが、今後どのように変わっていくか注目されています。

Q:吸収合併した会社の建設業許可はどうなる?

A:吸収されることで消滅する会社の建設業許可は、存続する会社には引き継がれませんので、存続する会社において、消滅する会社の持っていた業種の許可が必要な工事を請け負う場合には、存続する会社が新たに許可を受けなくてはなりません。消滅する会社においては、法的な合併期日(合併契約における効力発生日)から30日以内に役員が廃業届を出して(建設業法第12条2号)廃業となります。

Q:税金の未納があっても許可を受けられる?

A:税金については、未納であることが建設業の許可を拒否する理由にはなりません。ただし、許可申請の際、納税証明書が必要になります。この納税証明書の対象は、知事許可であれば事業税(法人・個人とも)、大臣許可であれば法人なら法人税、個人なら所得税で、これらの税が未納であるときは申請前に納付しなくてはなりません。また、事業年度終了後の決算報告の際にも納税証明書が必要になります。

Q:どうして元請から許可を受けるように言われるの?

A:建設業の許可は、一定の要件を満たしたものだけに与えられるため、実績、技術、財務といった面で信用のおける事業者という扱いを受けます。軽微な工事の請負であれば法律上の許可は不要ですが、それでも許可を受けるように元請から言われるのは、許可を受けた下請を採用していることが、元請の信頼性にも繋がりますし、元請に対して仕事を依頼する発注者や上の元請会社が、下請として許可業者を採用するように指導しているためです。この流れは建設業界に浸透しつつあり、許可業者ではないという理由で、付き合いのある下請を選べないケースも出てきています。特に公共工事については、建設業の許可を受けていなければ、工事現場に入ることができないようになる方向です。

Q:営業停止中は許可の更新もできない?

A:営業を停止されている期間中に、許可の更新を申請をする場合、営業停止そのものは建設業法第8条による欠格要件に該当しない(同条本文括弧書き)ため、他の要件を全て満たせば許可の更新は可能です。ただし、営業停止処分は指示処分よりも重いものであり、特に誠実性を欠いたときに命ぜられる処分であることから、不適当であるとして更新が拒否される可能性は否めません。更新では営業停止が単に欠格要件に該当しないというだけのことです。

Q:許可は個人事業と法人のどちらで受けるべき?

A:将来的な要素があって難しいですが、許可の申請自体は法人のほうが揃える書類が多く煩雑です。しかし、建設業の許可というのは、個人事業なら事業主個人で受けるのと同等ですが、法人であれば会社として受けることになります。この点において、個人事業では法人成りしたときに許可を承継できず、代替わりにおいても承継できません。法人では代替わりがあっても、経営業務の管理責任者等の変更届によって、許可を失わずに済むため、事前に後継者が許可要件を満たすように経験を積ませることが可能です。

 

建設業の許可申請について

Q:許可申請書は郵送できる?

A:原則的に窓口受付で、郵送できないと思っていたほうが間違いなく、許可申請ではない軽微な変更届等に限っては、郵送を認めている場合もあります。郵送できる場合であっても、許可申請書には収入証紙等の貼付があり、書留での送付が無難です。また、建設業の許可は主たる営業所の地域の行政庁や出先機関が受け付けるので、持参において特段不都合がないと考えられているのも、郵送を受け付けない理由の1つです。

Q:更新申請で変更届を兼ねることはできる?

A:許可の更新というのは、既に届け出られている要件で継続して許可を受けるための申請です。そのため、変更届の提出が必要な変更があった場合、既に届け出られている許可済みの要件が現状と一致しないため、更新申請は受理されません。先に変更届を提出して確認を受け、それから更新申請が受け付けられます。

Q:更新申請で有効期間の一本化をしたときの手数料は?

A:更新申請で、既に許可を受けている他の業種について、有効期間の調整(一本化)を行った場合、許可を受けている全ての業種の更新を同時に行うことになり、申請としては1つであるため、更新手数料は5万円になります。更新の他に業種追加や般・特新規が含まれている場合には、それぞれに応じた手数料が掛かります。

Q:許可の申請の前に書類の事前審査は行っている?

A:建設業の許可には膨大な書類を用意しなくてはなりませんが、書類の事前審査は行っていません。法令に則り、正しい書類を用意した申請者に対して許可を与えるという運用です。しかし、外部委託の事前チェックサービスや、建設業の許可について事前相談を行っている行政庁もあります。だからといって審査不要になるわけではないですが、不明点は確認してみたほうがよいでしょう。

Q:工事実績がないと許可を更新できない?

A:工事実績がないからといって、即座に許可の更新ができないという理由にはなりません。営業はしていても受注に結び付かず工事実績がないことは起こり得るため、営業活動があって工事実績がない理由があれば更新は可能で、その場合でも、毎事業年度ごとの決算変更届は必要になります。また、1年以上営業を休止している場合は、そもそも許可の取消し事由に該当する(建設業法第29条第1項第3号)ため、廃業届を提出するのが本来であり、原則的に更新が認められません。

Q:許可申請時に事業開始直後で工事実績がない場合は?

A:工事実績がなくても、許可申請における工事経歴書や、直前3年の各事業年度における工事施工金額の省略はできないことから、これらの書類については、新規設立で工事実績なしといった記載で提出することになります。また、事業開始直後であっても、建設業の許可要件は変わらないため、経営業務の管理責任者や専任技術者といった、業務経験が必要な人員は当然設置が求められます。

Q:決算変更届を出していないと更新できない?

A:決算変更届は、事業年度終了(決算)ごとの4ヵ月以内に提出しなければならないことが、建設業法第11条第2項により定められています。しかも、同法50条には6ヵ月以下の懲役または100万円以下の罰金という規定があります。そのため、行政庁では毎事業年度ごとに決算変更届を提出するように指導していますが、未提出であることは多く、罰則が適用されている現状でもありません。本来は法令違反であることから、今後は罰則が適用される可能性もありますが、いずれにしても、5年分の決算変更届が1年分でも未提出であれば、許可の更新はできないため、更新のときになって不足分の決算変更届を用意することになります。また、経営事項審査を受ける場合においては、直前の決算変更届が必要です。

特定建設業について

Q:一般建設業と特定建設業の違いは?

A:一般建設業の特定建設業は、1つの建設工事に対して、発注者から直接請け負う元請が、1次下請と締結できる請負金額の合計額によって区別されています。発注者と元請の契約金額や、下請から下請への契約金額については制限がなく、元請から下請に発注する工事金額が一定以上であれば、特定建設業として許可を受ける必要があり、それ以外の建設工事は一般建設業の許可で行えます。

Q:将来の事業拡大ために特定建設業が必要?

A:特定建設業の許可が必要であるかどうかは、業務内容によって異なります。特定建設業は元請を対象としているため、将来においても下請だけを行うのであれば、特定建設業の許可が必要になることはありません。現在もしくは将来に元請として建設工事を請け負い、自社で施工できない専門工事が多ければ、工事規模によっては特定建設業の許可が必要になることも考えられます。

Q:特定建設業の許可が必要な工事に材料費は含まれる?

A:軽微な工事の判断や、専任性のある工事の判断と違い、特定建設業の許可が必要であるかどうかの工事の判断には、実際に下請へ発注する金額で考えられます。この発注金額は、材料費込みで下請に発注されれば、3,000万円以上(建築一式工事では4,500万円以上)で特定建設業の許可が必要です。同じ工事でも元請が材料費を負担し、工事のみで下請契約を結んだ結果、3,000万未満(建築一式工事では4,500万円未満)なら、一般建設業の許可で発注できます。特定建設業という許可は下請保護を目的としているため、下請が材料費を負担しない場合の工事金額までも、判断に加えることはありません。

Q:特定建設業で直前決算が財産的基礎を満たさない場合に増資で      対応可能?

A:許可(更新)申請時は、あくまでも直前決算の財務諸表で判断されるため、直前決算において財産的基礎を満たしていなくてはなりません。ただし、資本金以外の要件を直前決算で全て満たしており、許可申請日までの増資によって資本金が2,000万円以上になれば、財産的基礎を満たしていると判断されます。

Q:特定建設業で財産的基礎を満たせなくなった場合は?

A:建設業の許可では、許可要件を満たせなくなった場合に届出が必要になる事項(経営業務の管理責任者や専任技術者の欠員など)もありますが、許可を受けてから財産的基礎が許可要件を下回っても届出は必要になっておらず、直ちに許可を失うことにはなりません。しかし、財産的基礎の要件を満たせないときには当然に許可の更新ができないため、更新時に一般建設業への移行を余儀なくされます。

経営業務の管理責任者について

Q:他社の取締役や役員を経営業務の管理責任者にできる?

A:経営業務の管理責任者として十分に実務経験を持っているとしても、経営業務の管理責任者は、常勤であることが許可要件の1つになっています。他社の取締役や役員を経営業務の管理責任者として許可申請を行う場合、当然に他社では非常勤であり、許可申請を行う自社において常勤であることを証明できれば可能です。

Q:他社の出向者を経営業務の管理責任者にできる?

A:他社の出向者であっても、常勤性が確認できる場合には、経営業務の管理責任者として建設業の許可を申請することは可能です。しかし、他社の出向者であるということは、出向期間が終われば当然に常勤性が失われるため、その時点で代わりになる経営業務の管理責任者がいなければ、許可の取消しに該当または廃業によって許可を失う結果になります。

Q:他社の代表取締役と経営業務の管理責任者は兼任できる?

A:他社の代表取締役として常勤であれば、常勤性を求められる経営業務の管理責任者は兼任できません。他社の代表取締役として非常勤である場合、他社に常勤の代表取締役が存在すれば、非常勤として証明できるので、申請会社での常勤性を証明して経営業務の管理責任者になることができます。他社に常勤の代表取締役が存在しなければ、代表取締役として相当の実務を他社で行っていることは明らかなため、他社が事実上営業を行っていないなど特殊なケースを除いては、原則的に兼任できません。

Q:経営業務の管理責任者は必ず本店勤務?

A:経営業務の管理責任者は、主たる営業所に常勤することを定められています。しかし、この主たる営業所とは、建設業を行っている営業所においての主たる営業所であるため、本店が建設業の営業を行っていない場合、本店勤務では許可要件を満たさないことになります。したがって、建設業を行っている営業所においての主たる営業所に常勤しなくてはなりません。

Q:経営業務の管理責任者の実務経験は非常勤でも大丈夫?

A:経営業務の管理責任者の実務経験の審査については、常勤・非常勤の取扱いが行政庁によって全く異なります。非常勤の実務経験が必ずしも認められるとは限らないので、事前に確認しておく必要があります。また、非常勤の実務経験が認められる場合であっても、経営業務の管理責任者は、許可を受ける場合には常勤であることが必須になるので、許可を受けようとする事業者で現在において常勤でなくてはなりません。

Q:同一の建物上の親会社と子会社で経営業務の管理責任者を兼任できる?

A:経営業務の管理責任者は、許可を受ける建設業の事業者に対し、主たる営業所に常勤していなくてはなりません。親会社と子会社が同一の建物で、主たる営業所も同一の建物であったとしても、別会社であるために両方に常勤とはならないことから、兼任が認められることはなく、常勤性が問われる以上、複数の事業者において経営業務の管理責任者は兼任できないことになります。

Q:経営業務の管理責任者がいなくなったら?

A:経営業務の管理責任者は、建設業の許可において必須となる要件であるため、経営業務の管理責任者が不在になって代わりの者がいない場合、それは建設業の許可の取消し(廃業)に該当します。経営業務の管理責任者には、一定年数の実務経験が必要になるため、経営業務の管理責任者が健在であっても、不在時に備えて他の者に経営業務の経験を積ませておくことが必要です。

Q:経営業務の管理責任者が複数いてもよい?

A:経営業務の管理責任者が業種ごとに存在して、複数人になることは問題がありません。経営業務の管理責任者は、許可業種の実務経験が5年以上、許可業種以外の実務経験なら7年以上が必要であり、業種を問わず7年以上の実務経験があれば、全ての業種の経営業務の管理責任者になることができます。そのため、経営業務の管理責任者が複数になることは少ないですが、7年の実務経験を持つ者が存在せず複数の業種の許可を受けたい場合や、後継の育成で一部の業種について経営業務の管理責任者とする場合などが考えられます。

Q:経営業務の管理責任者の実務経験を誰が証明する?

A:原則的には、実務経験があったときに使用者であった、法人の代表者や個人事業主に証明してもらいます。倒産や廃業などで既に消滅してしまっていても、元役員や元事業主に依頼し、私印と印鑑証明書で証明となりますが、それも難しければ建設業の許可がある第三者や、自己証明も可能です。ただし、使用者や元使用者等からの証明を得られない場合、合理的な理由と確認書類が必要になることは言うまでもありません。

Q:経営業務の管理責任者の実務経験の確認資料として工事請負契約書が   ない場合は?

A:具体的に工事実績があったことを、別の形で証明する必要があります。建設業者間でよく用いられる発注者からの注文書と受注者からの請書の写し、請求書や見積書の写しなど、当該工事に関わる書面を提出することで、実務経験と認められるケースもあります。また、発注者による証明印をもらわなくてはならない場合もあり、実務経験の証明になるかどうか、事前に担当部局に確認した方がよいでしょう。

Q:経営業務の管理責任者と主任技術者(監理技術者)は兼任できる?

A:兼任できる場合とできない場合があります。主任技術者(監理技術者)に専任性が求められない工事であれば、経営業務の管理責任者として、業務に支障が出ないこと、つまり、経営業務の管理責任者と主任技術者(監理技術者)として期待される業務のどちらも遂行できることを条件に、兼任することが可能です。主任技術者(監理技術者)に専任性が求められる工事では、工事専任である以上、経営業務の管理責任者の常勤性は失われ、業務を遂行できなくなるため兼任はできません。

Q:経営業務の管理責任者の実務経験が不足しているときは?

A:経営業務の管理責任者としての実務経験は、建設業許可の絶対要件なので、そのままでは建設業の許可を受けることができません。外部から要件を満たす人材を役員や支配人として迎えるか、実務経験が要件を満たす年数に達するまで、軽微な工事のみを受注して営業を続ける必要があります。

Q:経営業務の管理責任者は代表者?

A:経営業務の管理責任者が代表者である必要はありません。法人であれば代表取締役以外の取締役、個人であれば登記された支配人でも可能です。小規模な事業であれば、営業取引上の責任や決裁権が代表者にあることは多いですが、代表者が経営業務の管理責任者の要件を満たさない場合に、要件を満たす者を役員や支配人として迎え、それらの人員を経営業務の管理責任者とすることが可能です。

 

専任技術者について

Q:専任技術者と経営業務の管理責任者は兼任できる?

A:専任技術者は配置される営業所においての専任性ならびに常勤性が、経営業務の管理責任者は、主たる営業所での常勤性が求められます。したがって、両者は異なる営業拠点で常勤することが必然的にできないため、兼任が認められません。例外は、経営業務の管理責任者が主たる営業所において、専任技術者を兼任する場合で、専任性と常勤性の両方を兼ね備えることができるので兼任可能です。

Q:専任技術者と主任技術者(監理技術者)は兼任できる?

A:専任技術者は、配置される営業所においての専任性ならびに常勤性が求められるため、建設工事の施工の管理を行う主任技術者や監理技術者を兼任してしまうと、工事現場に出向くことで営業所での常勤性が失われてしまい兼任できません。ただし、当該営業所において締結された建設工事で、工事現場と営業所が近接して常時連絡を取れる状況にあり、主任技術者(監理技術者)の専任性を要求される工事ではないといった、一定の要件を満たせば兼任が認められます。

Q:専任技術者の専任性が認められない場合とは?

A:専任技術者における専任性とは、当該営業所に常勤し、専任技術者としての職務に従事していることを示しますので、例えば他の営業所や事業者において常勤である、常勤しているとされる営業所が社会通念上において著しく遠隔地にある(概ね基準は1時間半から2時間程度以内)、国や地方公共団体の議員になっている、専任性を有する他の資格(建築管理士や宅地建物取引主任者等)による職務に従事している(同一営業所内を除く)などの理由があれば、専任していると認められません。

Q:他社の出向者を専任技術者にできる?

A:他社の出向者であっても、常勤性が確認できる場合には、専任技術者として建設業の許可を申請することは可能です。しかし、他社の出向者であるということは、出向期間が終われば当然に常勤性が失われるため、その時点で代わりになる専任技術者がいなければ、出向者を専任技術者としていた営業所は閉鎖せざるを得なくなり、代わりの営業所もなければ、出向者を専任技術者として許可を受けた業種において廃業することになります。

Q:複数の業種を1人の専任技術者が兼任できる?

A:専任技術者として常勤する営業所に限り、複数の業種の専任技術者を兼任することが可能です。その場合でも、専任技術者がそれぞれの業種に対する要件を、資格や実務経験等で全て満たしていなければなりません。また、専任技術者の兼任は、その人員が欠けたときの影響が大きいため注意が必要です。

Q:専任技術者と現場代理人は兼任できる?

A:現場代理人は、建設業法上の規定に基づいて設置が義務付けられているものではなく、請負契約(特に公共工事)において定められ、通常は工事現場に常駐が求められます。一方、専任技術者は営業所での常勤性が求められ、現場代理人として常駐であることは専任技術者の常勤性が失われることから、兼任することができません。

Q:専任技術者は1営業所に1人でよい?

A:1営業所で1人の専任技術者になる条件には2つあります。1つは、その営業所が単一の業種の許可しか受けていない場合、もう1つは、その営業所が複数の業種の許可を受けていても、全ての業種について1人の専任技術者が兼任できる場合です。専任技術者は許可業種ごとに必要になるため、複数の許可業種の営業をする営業所では、兼任できる人員がいなければ全ての許可業種の数だけ専任技術者が必要です。

Q:専任技術者は要職でなければならない?

A:専任技術者は、経営業務の管理責任者と違って技術者であるために、組織における役職者である必要はありません。しかし、一般に専任技術者として建設業の請負契約に関わるためには、専門的な知識や経験、資格等を有していることが条件となることから、一定の責任を持つ役職にある人を専任技術者にするケースが多いでしょう。

Q:専任技術者の実務経験はどのように算出する?

A:実務経験は、技術者としての雇用期間ではなく、実際の工事において、技術上の実務に携わった経験の期間を積み上げて計算します。したがって、雇用期間において具体的な工事件名を列挙し、その職名(工事主任等)を記載して証明しますが、工期が重複する複数の工事に携わっていても、重複した期間を別々の期間として実務経験とすることはできません。

Q:アルバイトやパートは専任技術者になれる?

A:専任技術者は高い専門性と常勤性の両方が求められ、アルバイトやパートの職員が専門性を有していても、継続的な雇用契約とは言えないため、専任技術者として認められません。他に専任技術者として該当する人員が不足している状況なら、アルバイトやパートの当該従業員を社員登用してでも専任技術者として確保することが必要です。

 

財産的基礎について

Q:自己資本と預金の合算で財産的基礎を満たせる?

A:自己資本だけで財産的基礎の要件を満たせず、預金でも同じように要件を満たせない場合、両方を合算した金額が要件を満たせるとしても認められません。自己資本と預金の合算を認めてしまうと、資本金を預金として預ければ、財産的基礎が不足していても要件を満たせてしまうため、自己資本、預金残高、融資可能額のいずれかで要件を満たす必要があります。

Q:自己資本と融資可能額の合算で財産的基礎を満たせる?

A:自己資本だけで財産的基礎の要件を満たせず、融資可能額でも同じように要件を満たせない場合、両方を合算した金額が要件を満たせるとしても認められません。自己資本と融資可能額の合算を認めてしまうと、例えば資本金で不動産を購入し、不動産を担保に融資可能額を得ることで、財産的基礎が不足していても要件を満たせてしまうため、自己資本、預金残高、融資可能額のいずれかで要件を満たす必要があります。

Q:複数の口座の預金残高証明書を合算できる?

A:建設業の許可において、財産的基礎の証明となる預金残高は、1つの金融機関や口座と決められているわけではありません。資金調達能力として十分にあるにもかかわらず、複数の金融機関に分散して資金を預金しているだけで、財産的基礎に欠けているとはならないからです。ただし、複数の口座の預金残高証明書を財産的基礎の証明にするには、証明書の残高日が同一日付であることが必要です。

Q:財産的基礎を満たさなくても許可を受けることはできる?

A:新規の許可申請では、必ず財産的基礎の証明が必要です。一般建設業の許可の更新や業種追加では、直前5年間の営業実績があれば、財産的基礎を満たしていなくても許可を受けることができます。特定建設業の場合は別で、下請保護の観点から、特定建設業を受けた建設業者は財産的基礎の保有が絶対要件とされ、財産的基礎を満たしていなければ許可の更新もできません。

Q:更新忘れで新規申請の場合に直前5年間の営業実績を使える?

A:直前5年間であることから、申請の時点において許可を受けている状態の、更新や業種追加を前提としているのは明らかです。更新切れによる新規申請であっても、現に許可を有していない以上、未許可の状態と何ら変わりないことから、自己資本や資金調達能力(預金残高証明書・融資可能証明書)によって財産的基礎を証明するしかありません。

Q:更新や業種追加で財産的基礎の証明が必要?

A:一般建設業の場合、直前5年間の営業実績で財産的要件を満たしますので、一度も更新を迎えずに業種追加をする以外は、基本的に財産的基礎の証明が必要なくなります。一度も更新を迎えずに業種追加をするときは、直前の決算変更届によって財産的基礎を満たさない場合に、証明が必要になります。

Q:預金残高証明書で財産的要件を満たすと預金を下ろせない?

A:一般建設業で預金残高証明書を財産的基礎の証明とする場合、行政庁が決めている有効期間内(申請日より数週間から1ヵ月程度)で預金残高証明書を発行してもらえば、その後に預金残高が減ったとしても問題はありません。財産的基礎を満たすとは、現に500万円以上の預金を保有していることではなく、500万円以上の資金調達能力を求められるため、預金残高証明書の発行日において資金調達能力を示したことになります。

 

営業所について

Q:他都道府県の本店が建設業ではなくても大臣許可になる?

A:建設業の許可では、許可を受けようとする建設業において、実際に業務を行っている営業所の設置場所とその範囲で知事許可と大臣許可に分かれます。他都道府県の本店は建設業の営業を行っていないので当然除外され、許可を受けようとする建設業に対する営業所が1つの都道府県なら知事許可、複数の都道府県なら大臣許可となります。

Q:自己所有の自宅と営業所(事務所)を兼ねることができる?

A:自宅であっても、明確に営業所として区分けされた領域があれば、営業として認められます。特に個人事業主では自宅兼事務所としていることは比較的多いですが、居住スペースと営業所は重複することができませんので、最低でも電話や机、帳簿等の棚といった設備は必要で、居間に客を通して請負契約をするような形態では認められません。

Q:賃貸の自宅と営業所(事務所)を兼ねることができる?

A:建設業の許可における営業所の要件の1つに、「営業所としてその場所を使用する権原」というものがあります。この権原とは、営業所として正当に利用するための法律上の原因ということなので、賃貸借契約によって得られた賃借権も権原です。しかし問題は、貸主が建設業の営業所として使用することを認めているかどうかで、居住用の賃貸物件の多くは、居住以外の用途を認めていません。また、営業所として使用できる賃貸借契約であっても、居住部分と営業所は明確に区分けされている必要があります。

Q:主たる営業所(本店)が他の都道府県に移転した場合はどうする?

A:これまで知事許可であった場合には、主たる営業所の移転によって、複数の都道府県に営業所がまたがるなら大臣許可へ、営業所が移転先の都道府県だけなら移転先の知事許可へ、それぞれ許可換え新規の申請が必要です。これまで大臣許可であった場合には、主たる営業所の移転によっても、複数の都道府県に営業所がまたがるなら変更届出書の提出で済みますが、営業所が移転先の都道府県だけに変わるなら、移転先の知事許可へ許可換え新規の申請が必要です。

Q:届け出ていない営業所で軽微な工事は行える?

A:軽微な工事が、どの業種に該当するかによって扱いが異なります。許可を受けている業種では、軽微な工事を請け負う場合であっても営業所に該当するため、営業所としての届出が必要になります。許可を受けていない業種では、軽微な工事を請け負うことに制限はなく、届け出ていない(許可申請を行っていないので当然届出がない)営業所で行うことができます。

 

提出書類について

Q:なぜ行政庁によって確認資料が異なる?

A:建設業の許可申請で提出する書類は、決まった様式で提出する法定書類と、法定書類に記載の内容が正しいものであるか(許可の要件を満たしているか)確認するための確認資料の2つに分かれます。法定書類については、様式が決まっていてどの行政庁でも同じですが、確認資料については、法令によって定められておらず行政庁の運用によって異なる場合があります。

Q:身分証明書だけで成年被後見人や被保佐人ではないことを証明できない?

A:市区町村で発行される身分証明書と、法務局で発行される成年被後見人や被保佐人として登記されていないことの証明書(登記事項証明書)は、どちらも成年被後見人、被保佐人ではないことを証明しますが、2つの書類はその証明時期が異なります。成年被後見人や被保佐人である記録は、平成12年3月31日まで戸籍に記載があり、平成12年4月1日以降は後見登記等ファイルという法務局管轄に変わりました。そのため、いずれの時期でも成年被後見人、被保佐人ではないことを証明するためには、身分証明書と登記事項証明書の2つの書類を用意しなくてはなりません。

Q:個人事業主で白色申告でも財務諸表は必要?

A:建設業の許可において、人格(個人・法人)によって、必要な提出書類が免除されるということはなく、どの事業者においても必要な書類は全て提出することになっているので、白色申告でも財務諸表を提出します。また、許可のためだけに財務諸表を作成することは可能ですが、許可後は毎事業年度ごとに決算変更届を出さなければならず、複式簿記の青色申告へ移行したほうが、決算変更届用の財務諸表(確定申告用とは異なる)の作成も楽になります。

Q:住民登録が営業所から遠隔地の場合は?

A:経営業務の管理責任者、専任技術者においては、営業所での常勤性を証明するため、住民票の提出を求められる(行政庁によって異なる)ことがありますが、住民登録が遠隔地である場合は要件を満たしません。そこで、居住地が営業所の通勤範囲内であることを別の書類で証明する必要があり、その代表的なものは賃貸借契約書です。また、公共料金の請求書など、私信以外のもので居住を確認できる書類があれば証明が可能です。